What's Newにドイツとか、ミュンヘンとか、パスポートとかいう単語が目立つ
し、このコラムでも少し感傷的な記述が多いので、深読みが好きな人ならば、きっと私が欧州へ転勤する
のではないか、と想像をたくましくしていることでしょう(注1)。または、読者にそう思わせておいて
実はウラをかいて、まったく関係もなく、この一周年の日に「ドイツに行くヤツはどいつだ」
など、オヤジギャグを飛ばそうと狙っているのではないか、と邪推
している人もいるかもしれません。あるいは、今回のテーマを
「どどいつ」
にするつもりだ、と予想している人もいるかもしれません。
そんなことはありません。
実は、2週間ほど前から決まっているのですが、この2月16日から一週間、ミュンヘンへ
出張することになっているのです。事情を知っている人は、「また、
こんなことを書いてるわ、ほんまにコイツは嬉しがりやな。」と読むたびに
あきれていたことでしょうが、嬉しくてついつい、二言目にはドイツという言葉が
出てくるので仕方ありません。
実際、出張のミッションは非常に重たいものなので、それだけでも泣きそうなのですが、
「君なら、大丈夫」
と買いかぶられているので、さらにプレッシャーがきついのです。なにしろ、テーマが重たすぎて
何から手をつけて何をしてくればいいのか、いまだにはっきりしていないのです。
それよりも、なんといってもキツイのは
一人で出向いて一人で帰ってこなければならない点です。事業場の技術者が先に欧州に出張しているので
向こうで落ち合うことになっているのですが、本当に辿り着けるか心配です。
私は、海外旅行は初めてなのです。出国や入国の手順さえ
知らないというのに、ミュンヘンへは直行便がなくて、フランクフルトで乗り換えなければならないのです。
フランクフルトでミュンヘンへの飛行機を待っている間に待合室で寝てしまって乗り損ねた、とか、
ミュンヘンに着いたのも知らずに眠りこけている間に、いつの間にか折り返している、とか、
機内で飲みすぎて酔っ払って別の飛行機に乗りかえてしまって気がついたら「翼よ、あれがパリの灯だ」と
叫ぶはめになるとか、きっと隣の席は素敵な女性だったりして、
14時間もある飛行時間中に話もはずんで、ミュンヘンに着いてみれば、その女性の彼氏が
現れて、「俺の女に手をかけたな(多分、ドイツ語)」といいがかりをつけられて
どこかに監禁され尋問されて、私が何の機密情報も持っていないことがばれた次の日にはドナウ川に浮かんでいる、
など、なにしろ、ドイツ語で尋問されてもわからないものなぁ、ってそういえば、英語で
尋問されても、満足に答えられないぞ、って、どんなことが待ち受けているのか
皆目想像ができないだけに、ツライ。
さらに、通訳も同行しないので、英語力に乏しい私には、向こうでちゃんと仕事にならないんじゃないか
と、ビクビクしています。この点も、誰に不安を訴えても
「日本語で会議をしても注意しないと行き違いがある。時間をかけてもいいから、
丁寧に確認しながら意思の疎通をはかれば大丈夫。」
「君なら大丈夫、2、3日でなんとかなる。技術者同士だからね。」
「英語は度胸」
などと、簡単に片付けられ、ただし、同行する技術者の英語力には期待できそうなので、
その点だけは救いなのですが、
準備すればするほど、本当に任務をこなせるのだろうかと心配です。
ということで、「やっぱりコイツに行かせるのはやめにしよう」といつ取りやめになるかも知れない
と期待していたのですが、いよいよ、本当に行くことになってきたようです。
進めるために、こちらで出来る限り準備していこうとして、先方と英語のメールを
やりとりしているのですが、一本メールを書くのに、何時間もかかり、
書いて出したら書いて出したで、疑問点、問題点、を指摘した長文のリプライが
帰ってきて、それに答えなければ先に進めないので、パソコンの前でウンウンうなっていると
こちらでは日付変更線をこえ、8時間ほど時差があるとはいえ、向こうの時間でも日が暮れて
と、一人ぼっちの研究所で悲しくなってしまう今日このごろになってしまいました。
このコラムで英語を勉強しましょう、と何べんも強調して、辟易している人も
いることでしょうけど、やっぱり、重要だよなぁ。
きっと、ヨーロッパではしゃべることもできず、準備不足とコミュニケーションの
問題で仕事も進まず、ショックでフラフラになり、
「いったい何しに向こうへ行ってきたんだね。」とあちこちから追求されて、
ボコボコにされてパンチドランカーになってしまうかも。って後輩社員に言ってみたら、
パパーノさんの場合、ただのドランカーでしょ、と軽く言われてしまった。
ジョージ・フォアマンがボクシングに現役復帰、というニュースが目にとまりました。
なにしろ、今年で55才です。55才で現役復帰、っていったいどうしてなんでしょう。
1973年にヘビー級の王者になり無敵といわれていたフォアマンですが、74年にアフリカの
ザイールでモハメド・アリに倒されます。この試合はアリに勝ち目はないと言われていただけに
「キンシャサの奇跡」として有名です。フォアマンはこのとき25才、急に、なんと、洗礼を受けて
牧師になってしまい、ボクシング界から姿を消しました。ところが、子供たちのための施設の運営費
がまわらくなり、金をかせぐために、突如87年に復帰したのです。94年45才でなんと
史上最年長のチャンピオンに輝きます。私はこのころ、ちょうど、フォアマンに関する
ノンフィクションの小文を読んでいたので、とてもビックリしました。97年までチャンピオンでした。
ですから、モハメド・アリといっても、パンチドランカーでフラフラな状態で
アトランタオリンピックで聖火の点灯をした
モハメド・アリ(注2)しか知らない、私も含めた若年層にも
かなり知られた名前ではないでしょうか。スポーツ新聞で写真を見たことがある
人も多いかと思います。
今回の復帰の動機について、「50歳、60歳の人が自分の年齢を気にしてはいけない、
55歳でも現役として通用するところを見せるのだ」と言っています
(ロイター記事)。
ひょっとして、またチャンピオンになって引退し、また、70歳くらいで現役挑戦、なんてありそうで
こわいですね。
自伝からの引用が
朝礼でも使えるスポーツ名言集 Vol.7「夢のために戦う」
に載っています。なお、このページは"Wat's New"で紹介した、NetRICOHのコンテンツです。
単なるドランカーな私なわけですが、一応、危機感はあるので、英会話のCDを
パソコンに取り込んでいつでも聞けるようにしてあるし、旅行用のドイツ語会話
の本も2冊買い込んできて、いつでも記憶できるようにしてあるし、
準備は万端です。また、先方で技術ディスカッションを少しでも深くできるように、
数冊のハンドブックのコピーをそれぞれ数十ページとって
いつでも目を通して勉強できるように
してあります。
で、アルコールの量を減らし、行く前に2週間もあるし、
猛勉強してから行こうと思っていたのですが、これだけ起きている時間が
長いのだから、きっとできるはずだ、と思っていたのですが...。
結局、いつもどおり、深夜に帰宅して、食事して風呂入って、ホームページの
面倒を見たり考え事をしたりして、ぼーっと過ごし、
3時か4時くらいに、いったい、これだけの時間起きていて何をしたのだろう、
明日も早いのに、と考えながらゴロっと横になる、ということになっています。
少し早く帰った日も結局、飲む時間が早くなるだけで、いつの間にかワインを
一本あけて、いつの間にか寝ていました。
やっていること普段と変わりません。今日こそは、と、毎日決心しているのですが。
日頃の習慣を変革しようとするのは、よっぽど、意思が強くなければ
できないのだな、と実感し、猛反省しているのですが、
過ごしてしまった時間はもう、取り返しがつきません。
変わらなきゃ。
女の勘は、信じられないほど鋭く、そして、常に正しい。家内に、ドイツ出張の話をしたら、
「なんか、ヘマをやって帰ってきそうだわ。」
とタメ息をついて言われてしまいました。気をとりなおして、「おみやげは何がいい?」
と聞くと、「バッグ」「いくらくらいの?」「10万円くらい」
何か勘違いしているようです。
ハムに訊いてみました。「おみやげは何がいい?」「バッグ」
「・・・」
女の勘違いは常に私の想像を超えている。
しかし、パンチドランカーな私には、これで、心配ごとが一つ増えました。
おみやげをどこかに忘れて帰ってきそうな
そんな気がする。
まぁ、今回の出張での珍道中は次回のパパーノで紹介します。きっと
一回では紹介しきれないと思うので、2回連続、総ページで、
A4(しかも9ポイントのフォントで改行幅10ポイント)で3000枚くらいに、
まとめるかもしれません、あくまで可能性ですが、少なくとも
次回、乞御期待。
なお、期間中、多分、メールのチェックはできるので、はげましのメールを
どしどし、送ってください。
では、行ってきます。
4コママンガ<ハムとラン> とキャラのページ (c)Shimamura,T |
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hardy@max.hi-ho.ne.jp |
注1)多分
このパパーノのコーナーを直接ブックマークして、見てくれている人も何人かおられる と思います。是非、トップページをブックマークしてみてください。更新情報が判る 以上に楽しめると思います。すくなくとも、このパパーノのコーナーを読み続けることが できているのなら、楽しめるはず。アクセスカウンターも回るしね。キリ番プレゼントも ありますよ。是非、是非。
注2)アルツハイマー
だったかもしれません。話の関連をつけるために、あやふやな記憶のまま、アリが
パンチドランカーだとしておいたのですが、違うかもしれません。「蝶のように舞い、
ハチのように刺す」アリがそんなにパンチを受けていたとも思えませんしね。
ん?パーキンソン病だったかな?